Tales of Mihriban

東京青山のベリーダンススタジオ主宰　MIHOと申します。

この度はコンペティションの審査員をお引き受けくださり、誠にありがとうございます。

ダンス技術などは、私が採点にしますので、どうぞ舞台芸術として観て優れたものを、気に入ったものを選んでくださればと思います。
このダンスは本当に自由度が高く、現代美術のようなのです。
ダンス関係者ではない方で、芸術作品に精通している方が審査してくださるということは、とても重要で画期的だと考えています。
少しだけベリーダンスについて書いてみました。お時間あれば、目を通してください。

ベリーダンス
近年、世界中に愛好家、すぐれたダンサーが存在するベリーダンス。
歴史は古く、はっきりとした起源は定まっていません。

お腹や骨盤を中心に表現する踊りで、エジプトとトルコを中心に発展しました。
女神信仰によるもの、性や出産についての教育、ロマダンスが発展したもの、豊穣を祝う儀式、様々な意味合いを推測する事ができますが、これらはすべて真実と言ってよいのではないでしょうか。中東では人前でのダンスは　世俗的官能性と「罪のある肉体」に関連すると非難されます。 人前で踊るダンサーは職業的には　下層階級の人でした。しかしトップダンサーは　国家的象徴であったりもします。
そして現在は、芸術的解釈を持ち、発展し続けています。 ベリーダンスの広がりは　階級や文化、宗教を超越します。　

煌びやかな衣装をまとい、シアター向けに派手なバレエのような動きを加味しエンターテイメントとなったものと、
女性元来の力、美しさを呼び戻そうと一種のヒーリング、または自己卓越の手段となったもの。この2つが現代における大きな方向性と考えられます。

踊りや衣装は様々な方向性がみられ、音楽の選択も自由になってきています。
今回はバルカンジプシー（セルビアやマケドニア）の曲で踊る、それぞれがイメージする、考えるジプシーが踊るベリーダンスがテーマとなります。

私個人の解釈はベリーダンスがエロチックにみられても、芸術的にみられても、奇妙な踊りにみられても構いません。
そこにはすべてがあるからです。
イスラム女性の教えにおへそがすべてをつくり出す点だという話があったり、トルコのロマ達は、お腹にすべての祝福があるとして骨盤を派手にリフトして踊ります。
お腹にすべての始まりと終わりがあるという考えやお腹や腰を大きく動かす踊りは、
十代の頃から「子宮は宇宙と繋がってると思う。でもぐるっとまわって自分に戻ってくるんだ。」と妄想していた私にとって、ベリーダンスは世界一の踊りです。